相談前の状況
私は都心で複数の賃貸マンションを所有する不動産会社の社長です。
昨年、所有マンションの一室が新たな入居者によって借りられましたが、数ヵ月後から不審な人の出入りや深夜の騒音、共用部のゴミ出しルール無視といった苦情が他居住者や管理会社から相次ぐようになりました。
現地を確認したところ、部屋がインターネットで民泊サイトに登録され、多数の外国人観光客が滞在している事実が判明。入居者は中国人名義で、住民票上は居住していることになっていましたが、我々はこのような行為を許可していません。
つまり、自治体への届出や許可は一切得ていない違法民泊を行っていたのでした。
入居者に関しては、契約で日本人の方と契約をしたのですが、実態は日本人ではなく、中国語を話す人物で、カタコトの日本語と「日本語わからない」で全く対応してもらえませんでした。
管理規約でも民泊運営は禁止されており、建物の安全や防犯上のリスクも懸念が出て、会社に対してもマイナスな状況だったため、再三注意や是正勧告を行いました。
しかし、彼らは何事もないかのように、違法民泊を続けました。まったく改善されず、住民の多数から「早く解決してほしい」と強い要望が寄せられ、やむを得ず吉原隆平綜合法律事務所に相談をしました。
解決への流れ
受任後、弁護士は直ちに、賃貸借契約及び管理規約違反の証拠収集を開始しました。具体的には、違法民泊募集画面の保存、共用部監視カメラ映像、住民・管理会社からの苦情記録などを集約しました。
これらの証拠を基に、弁護士名で入居者に対し内容証明郵便にて「即刻民泊営業の中止および契約解除通知」を送付しました。入居者側は当初反発しましたが、合法性・損害賠償請求の可能性まで明示したところ、短期間で民泊利用を中止、契約に従い速やかに退去する旨を回答がありました。
弁護士の迅速な対応によって、書面で退去時期や原状回復内容を合意し、物件には新たな賃借人を迎え入れることができました。また、管理組合や近隣住民にも経緯を報告し、不安や不満解消に努めました。
違法の民泊営業が早期に停止され、建物の治安と生活環境は元通りに回復し、他の住居者も含め、オーナー様も一安心することができました。
吉原 隆平 弁護士からのコメント
不動産オーナーとして違法行為への毅然とした対応と資産価値維持を両立できた点が本事例の重要な解決ポイントだと考えています。
昨今は、相手方が外国人で全くコミュニケーションが取れないケースが激増しています。
また、国が違うので、思想や思考、行動も日本人とは全く違います。
これまでは、日本人だからうまく対応できたケースも、文化が違う別の人種の場合、円滑な解決は難しいです。
本件も弁護士が代理人で入った途端に態度が180度変わりました。
だからこそ、司法の力を借りて、正しい解決を実現して欲しいです。
その上で、法律問題に関しては、弁護士を有効活用して、問題解決に繋げることをお勧めいたします。