相談前の状況
ラーメン店のオーナー様からの相談でした。
脱サラして10年。景気の良い時は、最大3店舗と順調な経営状況でした。
経営が順調だった要因は、オーナー様自身が掲げた「地域密着で顧客第一」。
お客様に喜んでもらうために日々勤めていました。その結果、来店するお客様は常連の方が多く、広告などの力は借りず、地に足ついた経営をしていました。
ところが、ここ数年で物価の高騰により、提供商品のラーメンの原価率が上がってしまいました。現在提供する価格帯では、働いている従業員の給与など支払った場合、「赤字」です。目に見えて経営が悪化していました。
一方で、これまで築き上げてきたお客様への信頼や、地域密着で顧客第一を掲げるラーメン屋として、とても苦しい経営状況ではあったものの、ラーメンの提供価格を値上げすることに抵抗があり、最終的にオーナー様の権限で価格は据え置きで営業を継続していました。
案の定、原価高騰は日に日に強まっていきました。そして従業員への給与支払いなどにまで影響が及ぶ可能性が出てきました。それでもオーナー様は、銀行から運転資金の融資を受けて頑張っていたものの、ラーメン屋の資金繰りはどんどん悪化していきました。
決定的だったのが、最も頼りにしていた社員から、突然退職の相談を受けました。
話し合いの結果、円満に退職する運びとなりましたが、オーナー様は精神的に病んでしまいました。病院で診断を受けた結果、相当重い『心の病』に罹っていることが発覚しました。
オーナー様は、今後の見通しもあまり良くない中、気力、体力も限界に近いことが自分自身でも感じ、最終的に「店を畳む」という決意ができたので、吉原隆平綜合法律事務所へ相談に行きました。
解決への流れ
早い段階からご相談に来られていたため、弁護士との面談を重ねることで、申立てに向けての準備をしっかり行うことができました。会社の経営状況や保有資産などの詳細な内容を確認した上で、総合的にオーナー様の要望通り、法人破産の申立をすることになりました。
手続きに関しては、弁護士主導で円滑に進めていきました。弁護士と二人三脚で取り組んだ結果、債権者集会でも何もトラブルは起きず、滞りなく手続きを完了することができました。
思いの丈を全て話し、オーナー様が抱えていた心の大きな荷が下り、顔色も日に日に良くなってきました。
法人破産が完了したことの弁護士が報告するとオーナー様は、「心の重荷が取れました。吉原先生ありがとう!」とおっしゃり、心理面や生活全般を大きく改善することができました。
法人破産が完了して数ヶ月後には、新たな人生のスタートを切ることができました。
メンタルコンディションも良くなり、今は新しい事業の立ち上げに奔走しているそうで「そのうち軌道に乗ったら顧問弁護士にします」と言ってくれます。
吉原 隆平 弁護士からのコメント
長引く物価上昇の中、体力の限界を超えて事業運営をしているオーナーの方々は多くいらっしゃいます。ただ、時に立ち止まり、生活の質、人生の質を考えることも大切なのではないかと思うこともあります。今抱えている借金が重くのしかかり、その結果、ご自身の人生を不幸にさせてしまう可能性もあります。
ケースバイケースですが、弊所は法人の債務整理、破産について多数の実績/経験があります。
今後の経営における一つの情報源として、気軽にご相談にいらしてください。
ご状況をお伺いした上で、相談者にあったご助言をさせて頂きます。