解決事例
Case Study
吉原隆平綜合法律事務所が行った様々な解決事例をご紹介
解決事例 個人遺産相続・遺言
【空き家相続】不仲のきょうだいと和解!3000万円特別控除の期限内に売却できた事例

相談前の状況

男性(長男)からの相談でした。
実家で一人暮らしをしていた母親が亡くなり、長男(相談者様)と長女の2人が実家を相続することになりました。長男はすでに東京にマイホームを購入して定住しており、長女も大阪で暮らしているため、実家は完全な空き家状態となっていました。 相談者様は固定資産税の負担や、将来「特定空家等」に指定されてペナルティを受けるリスク、近隣トラブルを懸念し、早期の売却(更地化)を希望していました。しかし、長女は「幼少期の思い出が詰まった実家を壊したくない」「いつか誰かが住むかもしれない」と感情的に猛反対しました。話し合いは完全に平行線をたどり、相続開始から2年近くが経過してしまいました。このままでは譲渡所得税の優遇措置である「空き家の3,000万円特別控除」の期限(相続から3年目の年末)に間に合わなくなるという焦りから、吉原隆平綜合法律事務所に相談にきました。


解決への流れ

受任後、当事務所の弁護士が長女様に対して、感情的な対立を避けるため、中立的な立場から現状維持がもたらす経済的・法的なリスクを丁寧に書面で説明しました。具体的には、このまま放置を続けて建物が老朽化した場合に発生する「管理不全空家等」への指定リスク、それによる固定資産税の激増(最大6倍)、さらには台風などで瓦が飛散した際の損害賠償責任について、具体的な数字を交えて解説しました。 さらに、相続開始から3年目の12月31日までに売却しなければ、数百万円規模の「譲渡所得税の増税」を招き、2人とも大きな経済的損失を被ることを明確に提示しました。この客観的なシミュレーションと、実家の解体前に室内の写真や思い出の品を整理する時間を十分に設けるという妥協案を提示したことで、長女様も最終的には「これ以上引き延ばすのは得策ではない」と納得されました。その後、速やかに遺産分割協議書を作成し、期限内に実家を解体・更地にして売却を完了しました。無事に3,000万円の特別控除を適用させ、高額な税金を回避した上で、売却代金を公平に分け合うことができました。



吉原 隆平 弁護士からのコメント

親御様が遺された大切な実家だからこそ、感情が先立って処分に踏み切れないというケースは非常に多く見られます。しかし、不動産の放置は時間が経てば経つほど、税制上の優遇措置が使えなくなり、建物の資産価値も下がるという「時間との戦い」の側面を持っています。 親族間だけで話し合おうとすると、どうしても過去の不満や感情論が再燃し、泥沼化してしまいがちです。第三者であり、法律と不動産のプロである弁護士が間に入ることで、お互いが冷静になり、全員にとって最も利益となる着地点を導き出すことが可能になります。「売りたいけれど、他の相続人が首を縦に振らない」とお悩みの方は、手遅れになって大きな増税を課される前に、ぜひ一度お早めにご相談ください。